治らないうつ病には理由が必要になる

心理学の実験で、ある異性の写真を一瞬だけ見せて、どちらが好きか、選択させる実験があります。選択してもらった後に、密かに写真を入れ替えます。入れ替えた後に、写真をじっくり見せて、なぜこの写真を選んだのですか?という質問をします。聞かれた方は、写真が入れ替わっているとは、気付かないので、いろいろなことを言い始めます。髪型が素敵だとか、着ている服が良いとか、説明をしてくれます。
しかし、本当は、自分が選択した方ではないので、言っていることは、後付けの理由なんです。理由を言っている本人には、ウソを言っている認識はありません。本当にそう思ったから選択したと、後から思い込んでいるわけです。
脳には、無意識に後付けの理由を考えて、それを真実だと思い込む機能があります。

なぜ、人間の脳はこのように機能するのか、それは、他の実験でも確かめられています。不安な状況で有ればあるほど、素早く、辻褄のあう理由を考えるそうです。
つまり、脳は無意識に最もらしい理由を考えて、それを真実だと思い込むことで、自分の正当性を保ち安心することで、不安を減らそうとするということです。

うつ病が治らない理由としては、家族が原因にされることが最も多いです。

家族の対応が悪いとか、過去に言われたショックだったこととか。思いもよらないことが理由とされることがあります。

大事なことは、その理由は、全てウソではないということです。うつ病の人にとっては真実です。家族の方からすると、そうじゃない、そんなことはないとか、仕方なかったとか反論したくなることもあると思います。
うつ病の人からすると、もしそれが、真実ではなかったとしたら、自分を守れなくなるんです。真実とは、そういうものなのです。だから家族は、その人にとっては真実であるということは、受け入れた方が良いと私は思います。

私の妻の場合は、母親との関係がうつ病の原因となっていました。
それで、私が中に入って、母親に説明するわけですが、全くもって分かってくれません。
それは仕方なったとか。そんな事実はないとか。だったらその時に言えだので、話をしても無意味です。
原因の事実関係がどうのこうのということじゃないんです。母親からすると、全ては愛情をもってやってきたことなのです。それを否定されると、母親も生きて行けないということです。
確かに母親は愛情深い人です。
人間は、嫌いな人に受け入れて貰えなくても、全く問題なく、生きていけます。
しかし、好きな人に受け入れて貰えないと生きて行けません。